長期優良住宅とは何か

新築物件の建設を考えるときに、長期優良住宅とは何かよく分からないという人も多いのではないでしょうか。長期優良住宅とは、簡単に言うと将来的に長い年月を一つの家で過ごせるくらい高性能な物件ということです。そのためには、建築基準法で定められた様々な基準をクリアする必要があります。長期優良住宅が制定された背景には、1980年頃から老朽化する施設や住宅はすぐに取り壊し、新しく家を建てたり別の利用法を考えるといったスクラップアンドビルド型社会が進展したことが挙げられます。

当然、壊すことにも作り直すことにも資源や人材、時間や資金が必要になります。それはつまりそれだけの無駄が生じるということに繋がりますね。2022年現在では、持続可能な社会を目指すうえで、資材や資金の無駄を省くということが大きなテーマとなりました。そこで、新築の家を建てる際にも、数十年あるいは100年単位で家族が暮らし続けられるように適切な設備を整えることが望まれているのです。

つまり長期優良住宅とは、過去30年ほどの住宅のコンセプトと全く意を異にしている新築物件といえます。高い劣化への耐性や地震にも強い設計であり、同時に老朽化したパーツを速やかに交換できる構造になっているなど、いくつもの規定が設けられています。丈夫である、快適であるということだけではありません。いずれ劣化してしまう上下水道管も簡単に取り替えられる様な、効率を重視した設計が必須な住宅なのです。